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誰に向けての広告なのかを意識する

投稿日:2022年12月13日
最終更新日:2023年10月25日

街角の雑踏のイメージ


【筆者】井上 博喜
  • 印刷、WEB業界約15年。ホテル販促担当5年の経歴。

大手有料老人ホームや地域密着型葬儀社などの販促支援を行う。お客様のご要望をしっかりとヒアリングして、デザイナーと共に成果の出る販促ツール提案に力を入れている。デジタルとアナログのクロスメディアでの提案に強みあり。

広告はすべての人に見てもらいたい?


折込みチラシのイメージ

せっかく広告をするのだから、「できる限り多くの人にみてもらいたい。そのために誰かをしぼるなんてできない。すべての人が対象です」と考えてしまうのはよくあることです。

広告にお金をかけて打つ側から見ればとても共感できる意見ではありますが、それでは効果のある広告になりにくいのが現実です。


「誰」に「どうしてほしい」のかを明確にする


キャンペーン実施中のたて看板

広告は、対象の人に見てもらい、その後何らかの行動を起こしてもらうということが目的で行います。

そのために、実は、「誰」に見てほしいのか、伝えたいのかということと、行動を起こしてもらうにはどうするのかということを考えることはとても重要になります。

昔の大量生産、大量消費の時代であれば、人がモノ自体をもっていなかったので生産すれば購入されていましたし、今ほどニーズが多種多様にわかれていることもなかったので、誰に向けてかということをそれほど考えなくても広告の反応は十分あったでしょう。

また、スーパーのちらしなどのように、知らせる内容が価格のみでよいといった状況であれば、目的が決まっていますので、誰に対してということを特に意識しなくても良い場合もあります。

しかし、現在ではモノ自体はもう十分に行き渡っていることが多く、コト消費と言われるような、モノそれ自体の価値ではなくそれによって得られる経験や感動を消費することが重要視されるように変わっていますので、モノの内容よりも、それによって理想とする自分が得られるのか、目的がかなえられるのか、生活の価値が上がるのかといったことが判断の基準になるようシフトしています。

ですから、まず「誰」なのかを決めないと、経験や感動を具体的に伝えられなくなり、結果行動してもらえないことになってしまいます。今回は「誰」について考えていきます。


「誰」を決めないとデメリットが発生する


pointを指差すイメージ

例えば、自動車の例で少し具体的に考えてみましょう。

4WD、カーナビあり、荷物積み込みの部分が大きいという特徴を持つ車があります。機能面から利点を考えると、例えば「力強く走ります」「目的地にも迷わずたどり着けます」「たくさんの荷物が積めます」に言い換えることができます。

これも誰ということを決めて、言い換えてはいるのですが、じつは「誰」が複数になってしまっています。「力強く走る」ということは車にパワーを求めている人ですし、「目的地にも迷わず」であれば、地理が苦手な女性の方、「たくさんの荷物がつめる」は、旅行によく行く人といった感じです。

でも、これはよく見てみるとターゲットがばらばらで、前の方でお伝えした、よく陥りやすい、「すべての人が対象です」に似ていませんでしょうか。

「誰か」を決めずに機能面から利点を考えてしまうと、この場合のように商品の利点が1つの方向に集中せずに3つに分散してしまいます。

船頭多くして船山に登るではないですが複数の人に複数の結果を投げかけるので、かえって混乱をひきおこしてしまい、望む結果にたどり着くのは難しそうです。



「誰」を明確にすると訴求力があがる


かっこいいSUV車のイメージ

では、今度は「誰か」から利点を考えてみます。

買い手を一旦、「小学生の子どもがいる30代のお父さん 休日には子どもと屋外に出かけたい」と決めてみます。するとどうでしょうか。メリットを集中させることができそうです。

4WDであれば、パワーがあるので、舗装していない道路でも走れるため、例えば、山奥のキャンプ場とかにも出かけられそうです。海やスキーにもいけそうです。カーナビがあると、キャンプ場などもすぐ探せますし、迷わず目的地につくことで、ものしりなお父さんと思ってもらえるかもしれません。また、沢山の荷物が積めるということはキャンプ用品の持ち運びにも一役買いそうです。

そのようなことを踏まえると、たとえば、「お父さん、かっこいい背中を子どもに見せませんか」といったコピーと利点3つ上げると、先程とは違って、利点は明確にした「誰」1点に集中していますので、商品を訴求する力は上がっているのではないでしょうか。


でも、「誰」どうやって決めればいいの


期間限定セールのイメージ

ただし、ここで注意してほしいのは買い手の決め方です。これを間違えると全く見当外れなことになってしまいます。

上の広告を、「街乗りで買い物程度に車をつかう女性」に訴えてももちろん反応は取れません。

では、どのようにして決めるのかといえば、自社のサービスを実際に購入してくれたお客様を浮かべてください。
その方は実際にサービスを購入されているのですから、その方と同じような人に訴えかけることが一番の近道です。

また、インタビューなどをして購入に至る経緯などを聞くことができればさらに具体的な像がつかめます。こちら側が思ってもいないところをメリットと感じて購入に至っている場合もありますので参考にしてください。

以上、「誰」に向けての広告なのかということを考えました。これはチラシだけでなく、商品を陳列している場所でのPOPなど様々な場面で応用できますので早速使ってみてください。

 





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