「ペルソナ」って本当に意味があるの?その鍵は役者にあり⁉

「ペルソナ」って本当に意味があるの?その鍵は役者にあり⁉

今回は、マーケティング、ブランディングでよく聞く「ペルソナ」について、少し違った角度から学んでみましょう。

あなたは「ペルソナ」と聞いてどんな印象をもつでしょうか。

私ははじめにこの話を学んだとき、住んでいる場所からはじまって、近況やら感情やら生活リズムやら、こんなこと定義してなんの意味があるのだろう。必要な意味がわからないと正直思いました。

しかし、何度か学ぶうちに「実は詳しく決めることに意味があったのだ」と腹落ちしましたので、その体験をあなたにお伝えしていきます。

ペルソナって何?その歴史から紐解く

ペルソナは、元をたどるとアラン・クーパーという方がソフトウェア開発時に唱えた手法です。
システムを使うユーザーの行動を、開発に携わるたくさんの関係者が共通のイメージを持てるように、詳細な人物像を作り上げたことが始まりと言われています。

例えば、地元でカフェを経営しているとしましょう。
スタッフに「どんなお客様に来てほしい?」と聞いて、「老若男女問わず、みなさんに」という答えでは、店作りの方向性がバラバラになってしまいます。

しかし「32歳の子育てママの田中さん、家事や買い物、子育てにおわれ、なかなか自分の時間がとれない。
カフェで一息着きたいけど子どもがいるのでなかなか行けない。そんなママさんを応援するカフェにしたい」
という具体的なイメージを共有していれば、インテリア、メニュー、接客まで一貫したサービスを提供できるはずです。

このように、様々な施策を行うとき、携わる人全員が共通の人物像を描けるために、とても大切なことがわかります。

木の人形5体

ペルソナの本当の価値とは?

さらに、ペルソナにはもう一つ重要な目的があります。それは、顧客の立場になって、「顧客にとっての価値」を模索していく鍵となる、ということです。

「ビジネスの本質は、問題解決である」とよく耳にします。

顧客には、まず解決したい問題があります。
問題とは、理想とする姿になりたい。あるいは、困っていること、悩んでいることを解消したいといったことです。

ビジネスにおいては、商品やサービスが、問題を解決するための手段になります。
ですから、商品やサービスを販売するときには、顧客にとってどのような良いことがおきるのか、また、どういった問題解決ができるのかを訴えることがとても大切になります。

販売側から商品の良さを一方的に述べたとしても、それが顧客にとってどう良いのかということは伝わらないのです。
自分たちが商品を購入するときは、どんないいことがあるのかな、と考えることができるのに、販売側に回った途端に、この商品はここが良いのだと、急に売り手の側から一方的にまくしたてることは往々にしてあります。

これは致し方がないことで、そもそも相手の立場になるということはとても難しいのです。
この難題の解決に、「ペルソナ」が役に立つのです。

ニーズとウォンツ

ペルソナって、役者では?

ある日、ぼんやりとテレビドラマを見ながら、「この俳優さん、役になりきっているな〜」と思った瞬間、急にペルソナと役者さんがつながりました。

役者さんも提示される条件がぼやっとしたものなら、役になりきることなどできません。
演じる人物の背景やどのような考え方を持つのか、何を大切にしているのかなど詳しい情報が与えられて初めてリアルな役を演じることができます。
ペルソナにおいて色々と詳しい情報を決めることは、まさしく、顧客を演じ顧客の気持ちになるために必要なのです。

顧客のことを詳しく決めれば決めるほど、どのようなことに困っているのか、どのような理想の姿をかなえたいのか、どういうことに心を動かされるのかということについて考えやすくなります。

お芝居の稽古中の人形

なぜペルソナ設定が重要なのか?

❶メッセージが心に刺さる

「みなさまへ」という広告と、「子育てに忙しいママへ」という広告では、どちらが印象に残るでしょうか。
後者の方が、該当する人にとってはグッと心に刺さるはずです。

これは恋愛に例えるとわかりやすいかもしれません。
「世界中の誰でもいいから付き合ってください」という告白と、「あなたの笑顔が好きで、あなたの優しさに惹かれました」という告白では、どちらが相手の心を動かすでしょうか?

❷無駄な投資を避けられる

先ほどの34歳営業マンの例で考えてみましょう。
彼がペルソナなら、通勤電車内での広告や、家族向けの商品情報が効果的かもしれません。
深夜のテレビCMよりも、朝の情報番組でのCMの方が届きやすいでしょう。

ペルソナを設定することで、限られた予算を最も効果的な場所に集中投資できるのです。

  • 「誰に向けて発信すればいいかわからない」
  • 「広告を出しているけど効果が見えない」
  • 「自社の強みがお客様に伝わっていない気がする」

そんなお悩みをお持ちでしたら、まずはペルソナ設定から始めてみませんか?
正しいペルソナが設定できれば、その後のマーケティング活動すべてが効率化され、成果も目に見えて向上するはずです。

マーケティングでお困りのことがあれば、セイコープロセスにお気軽にご相談ください。