「持続化補助金で、ホームページは作れるの?」
販路開拓を考えている方から、よくいただくご質問です。
公募要領を読んでも専門用語が多く、
「結局何が対象で、何が対象外なのか」
迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
その悩み、すごくよく分かります。
そこで今回は、
“制度の考え方と申請の進め方”
を、やさしく、分かりやすくお伝えしていきます。
目次
1. 制度の基本|販路開拓の取り組みを支援する補助金(2026年時点の概要)
小規模事業者持続化補助金は、
その名のとおり小規模事業者を対象とした制度で、
経営計画にもとづく販路開拓の取り組みや、
それにあわせて行う業務効率化の取り組みにかかる経費の一部を補助するものです。
ポイントは「設備を買うための補助金」ではなく、
「新しいお客様に出会うための取り組みを支える補助金」であるという性格です。
もうひとつの特徴は、
商工会議所・商工会の関与が前提になっている点です。
事業者が単独で申請を完結させるのではなく、
地域の支援機関に経営計画を確認してもらい、
所定の書類の交付を受けたうえで申請する、
という流れが基本になっています。
したがって、制作会社を探すより先に、
まずは地元の商工会議所・商工会へ相談窓口として声をかけていただくのが結果的に近道です。
なお、制度には複数の申請枠が設けられる回もあり、
対象になる事業者の要件(従業員数の上限、業種の区分、
過去の受給歴など)も定められています。
「自社が小規模事業者に当てはまるのか」という入口の部分から公募要領で確認しておくと、
後戻りがありません。
2. ウェブサイト関連費の扱いに注意|第20回は上限30万円・単独申請は不可
ホームページ制作を考えている方が最初に確認すべきなのが、
ウェブサイト関連費という経費区分です。
これはホームページやECサイト、
システムの制作・改修などにかかる費用をまとめた区分で、
制度の中でも特に扱いが変わりやすい部分です。
これから申請できる第20回では、
ウェブサイト関連費に30万円(税込)の上限が設けられ、
この経費だけを単独で申請することはできません。
第19回までの「補助金交付申請額の1/4・最大50万円」という方式からの変更点です
(第20回公募要領 第8版・2026年7月21日改版)。
つまり、
ホームページ制作費だけを積み上げて申請しても、
要件を満たさないということです。
そのため実務的には、ホームページの制作と、
パンフレット・チラシなどの販促物制作、展示会出展、
看板の設置といったほかの販路開拓の取り組みを組み合わせて、
全体として一つの計画に仕立てる形になります。
当社にホームページのご相談をいただく際、
印刷物のお話もあわせて伺うのはこうした事情からです。
あわせて、
チラシ・カタログ・看板・DMなどの広報費にも
30万円(税込)の上限が設けられました。
インターネット広告・SNS広告の経費区分も見直されているため、
「Webを使う広報はすべてウェブサイト関連費」という整理は
もう当てはまりません。
ただし、上限額も区分も公募回ごとに変更されます。
必ず最新の公募要領でご確認いただき、
判断に迷う場合は商工会議所・商工会や事務局へ直接お問い合わせください。
3. チラシ・パンフレットなどの印刷物は対象になるのか
チラシ、パンフレット、会社案内、商品カタログ、
DMといった印刷物は、
販路開拓のための広報活動として位置づけられることが多く、
持続化補助金と相性のよい取り組みです。
デザイン費と印刷費、
封入・発送にかかる費用などをどう扱うかは、
公募要領の経費区分の説明にしたがって整理します。
一方で、
注意したいのが「新しいお客様に届けるためのものかどうか」という視点です。
たとえば、既存の取引先に配る社内資料、
名刺や封筒などの一般的な事務用品、
単なる在庫の補充としての増刷などは、
販路開拓の取り組みとは見なされにくい性格のものです。
「作りたいから作る」ではなく、「誰に、
どうやって届けて、
どんな反応を得たいのか」まで説明できる形にしておくことが大切です。
配布の計画までセットで書けると、
計画書としての説得力が大きく変わります。
たとえば「商圏内の対象業種にDMを送付し、
反応があった先に訪問する」「展示会で配布して名刺交換につなげ、
後日ホームページの事例ページへ誘導する」といった具合に、
印刷物とホームページが一本の線でつながっていることを示せると理想的です。
4. 採択される事業計画書の書き方|現状・課題・打ち手を数字でつなぐ
事業計画書は、審査の中心になる書類です。
書式そのものは決して難しくありませんが、
埋めるべき中身が抜けたまま提出されているケースは少なくありません。
基本の型は、
次の流れで組み立てると整理しやすくなります。
- 自社の概要:何を、誰に、どういう強みで提供しているのか
- 現状と課題:いま何が起きていて、何が足りていないのか
- 顧客・市場の状況:狙う相手はどこにいて、どんな判断基準で選んでいるのか
- 取り組み内容:今回、具体的に何を制作・実施するのか
- 期待される効果:その結果として、なぜ売上につながるのか
特に弱くなりやすいのが「現状と課題」の部分です。
ここが「知名度が低い」「集客ができていない」といった一般論で終わってしまうと、
続く打ち手も一般論にしか見えなくなります。
自社の実際の数字――問い合わせの入り口の内訳、
既存顧客の構成、リピートの状況、
営業の稼働時間など――を使って現状を描写できると、
課題と打ち手の因果関係がはっきりします。
なお、記載する数字は自社で把握している実績値を用い、
根拠のない予測値を断定的に書かないことが重要です。
見込みを書く場合は、
その算出方法もあわせて示しておくと安心です。
「作りたい」ではなく「なぜ売上が増えるのか」を書く
審査で見られているのは、
「ホームページを作ること」ではなく「ホームページを作った結果、
どうやって販路が広がるのか」です。
ここを取り違えると、
どれだけ丁寧に書いても訴求力が出ません。
たとえば、
同じホームページ制作でも次の二つでは伝わり方がまったく違います。
- 「古いホームページを刷新し、スマートフォンに対応させる」
- 「これまで紹介と展示会に依存していた新規開拓を、検索経由の問い合わせでも受けられるようにするため、対応可能な加工範囲と品質体制を明示したページを新設し、図面添付のできる問い合わせフォームを設ける」
後者は、誰の、どの行動を、
どう変えたいのかが読み取れます。
制作物の仕様の話は、
その目的を果たすための手段として後から書けば十分です。
「どんな見た目にするか」よりも「どんな行動を起こしてほしいか」を先に書く。
これが計画書の質を大きく左右します。
5. 商工会議所・商工会との進め方と申請スケジュールの目安
申請にあたっては、
商工会議所・商工会に経営計画を確認してもらい、
所定の書類を発行してもらう手続きが必要になります。
ここで気をつけたいのが、
この手続きには相手方の作業時間が必要だということです。
締切の直前にまとめて相談が集中するため、
余裕を持った相談開始が欠かせません。
現実的な段取りとしては、次のような順番になります。
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1 | 公募要領を確認し、対象要件・経費区分・締切を把握する |
| 2 | 商工会議所・商工会へ相談し、進め方と必要書類を確認する |
| 3 | 取り組み内容を固め、制作会社から見積書を取得する |
| 4 | 事業計画書を作成し、支援機関に内容を確認してもらう |
| 5 | 所定の書類の交付を受け、期限内に申請する |
なお、
これから申請できるのは第20回です。
申請受付は2026年11月5日から12月15日(火)17時まで、
商工会議所・商工会が発行する事業支援計画書(様式4)の発行受付締切は
12月4日(金)と、
申請締切より11日早く設定されています。
様式4がなければ申請そのものができませんので、
秋のうちに相談を始めておくのが安全です。
見積書は事業計画書の内容と整合している必要があるため、
計画がある程度固まってから依頼するのが効率的です。
とはいえ、
金額の目安が分からないと計画も書けませんので、
当社では「ざっくりした概算」と「申請用の正式見積」を二段階でお出しすることが多くなっています。
公募の締切日や交付書類の受付期限は回ごとに異なりますので、
必ず最新の公募要領と支援機関の案内でご確認ください。
6. 制作会社への見積もりの取り方|補助金申請に必要な書式のそろえ方
補助金の申請と、その後の実績報告まで見据えると、
見積書は「金額が分かればよい」というものではありません。
制作会社に依頼するときは、
次の点を伝えておくとスムーズです。
- 補助金申請に使う見積である旨(用途を最初に共有する)
- 内訳を項目ごとに分けて記載してほしいこと(設計、デザイン、コーディング、撮影、原稿作成など)
- 補助対象になり得る費用と、対象外になり得る費用を分けて書いてほしいこと
- 有効期限、宛名、社印の有無など、提出書式としての体裁
特に重要なのが内訳の分け方です。
「ホームページ制作一式」とだけ書かれた見積書では、
どこまでが補助対象なのかを説明できません。
また、公募要領上、サーバー・ドメインの継続費用や、
月々の保守運用費など、
対象になりにくい性格の費用が含まれることもあります。
あらかじめ分けて記載しておけば、
後の実績報告でも困りません。
複数社から見積もりを取る必要があるかどうか、
どのような書式が求められるかも公募回によって異なります。
当社では、
補助金を活用されるお客様には内訳を細かく分けた見積書をお出ししていますので、
必要な書式が分かっている場合は事前にお知らせください。
7. まとめ|補助金の成否は「計画づくり」で決まる
補助金は、
あくまで販路開拓の取り組みを後押しする制度です。
ホームページやパンフレットは、
その取り組みを実現するための手段であって、
目的そのものではありません。
だからこそ、採否を分けるのは制作物の豪華さではなく、
「その制作物によって、
なぜ売上が増えるのか」を筋の通った形で説明できるかどうかです。
準備の順番としては、①公募要領で要件を確認する、
②商工会議所・商工会へ早めに相談する、
③自社の課題と打ち手を言語化する、
④その内容に沿った見積を取る、
という流れをおすすめします。
逆に、制作物の仕様から入ってしまうと、
計画書が「作りたいものリスト」になりがちです。
なお、
本記事の内容は制度の一般的な考え方を整理したものです。
補助率・上限額・対象経費・申請要件・スケジュールなどの制度内容は年度の公募要領で変更されます。
申請前には必ず最新の公募要領および補助金事務局の公式情報をご確認いただき、
個別の判断は商工会議所・商工会などの支援機関にご相談ください。
当社は制作会社の立場から、
計画の内容にあわせた構成案づくりと、
申請に使える形の見積書のご用意という形でお手伝いいたします。
販促物、Webの無料診断やります
ホームページも、パンフレットやチラシなどの販促物も、
いまの状態が目的に合っているかを無料で診断します。
「補助金を使って何から手をつけるべきか分からない」という段階でもかまいません。
現在お使いの制作物と、
増やしたいお客様の像をお聞かせいただければ、
優先順位と概算の費用感を整理してお返しします。
まずはお気軽にご相談ください。
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